社内融資と同様、借金が増えることに変わりはありません。
購入後の返済計画をきっちり検討してから利用するようにしたいものです。
共働き夫婦の強みは、なんといっても収入が二人分あるということ。
ローンの返済もそれだけ余裕ができるはずです。
とはいえ、家を買ったあともずっと共働きを続けられるかどうかとなると、心もとなくなる人もいるでしょう。
ローンの返済途中に出産などで妻が退職した場合、その後は夫の収入だけでローンを返していかなければなりません。
こうしたケースを想定すると、「はじめのうちはたくさん返して、妻が仕事を辞めたら返済額を軽くする」という資金計画が望ましいといえます。
「そんな都合のいい返し方ができるのか」と思うかもしれませんが、公庫をうまく活用すれば可能です。
というのも、公庫には「返済の途中で返済方法を変えられる」という決まりがあるからです。
返済方法を変えるというのは、たとえば毎月返済とボーナス時返済の比率を変えるとか、返済期間を変更するといったことです。
ここでは返済期間の変更を利用した資金計画を考えてみます。
返済期間を変えるといっても、あらかじめ決められた最長返済期間を超えることはできません。
たとえばマンションの返済期間を三五年から四○年にするといったことは無理です。
そこで当初の返済期間を短めに設定しておいて、妻の退職に合わせて返済期間を最長期間の範囲内で延ばすという方法が考えられます。
左の表は、新築マンションを買うときに二五年返済で公庫を組んでおき、妻の出産にともなって五年後に三五年返済に変更するケースです。
返済期間が短いぶん当初の返済負担は重くなりますが、共働きの期間なので、さほど負担には感じないでしょう。
五年後には返済額が約二万円軽くなるので、夫一人の収入でも返していけそうです。
なお、公庫の返済方法の変更は、窓口となる銀行によって対応が異なります。
返済期間の変更を予定しているケースでは、あらかじめ手続きが可能かどうかを確認しておきましまた、銀行ローンにも返済途中で返済額を増減できるタイプがあるので、うまく利用すればライフスタイルの変化に対応できます。
どのくらい変更できるかはやはり銀行によるので、興味のある人は問い合わせてみるといいでしょう。
ある不動産会社で予算の相談をしたときのことです。
私の年収を聞くなり、担当者は「それでは都市銀行からの借入れは無理ですね」と決めつけて、金利の高いファイナンス会社の□−ンを押しつけようとするんです。
予算も自分で計算した金額より1000万円ほど低くなってしまいました。
「やっぱり都市銀行は無理か」と思いつつも、納得がいかないので他の不動産会社にも当たってみることにしました。
すると、そこの会社では「都市銀行でも問題ない」という話に。
しかも、自分の好きな都市銀行を選んでよいというではありませんか。
さっそく金利の種類が多くて返済中の変更もしやすいF銀行に申し込んだところ、審査もOKとのこと。
おかげで最初の希望予算どおりの家を買うことができたんです。
「念のため」ということで不動産会社が申し込んでおいてくれた別の都市銀行からも、勧誘の電話がかかってくるほどでした。
結局、最初の不動産会社は取引先のファイナンス会社に実績をつくりたかったんでしょうね。
でも、住宅ロ−ンを払うのは自分なんだから、選ぶ権利もこちらにあって当然ですね。
「わが家」との長い付き合いは買ってからはじまります。
税金やローンなどおカネに関係することで、買ってからの手続き一つで負担が変わるものも…。
買った家と上手に付き合って、経済的な負担も最小限にできる方法を考えてみましょう。
頭金や諸費用を支払ってようやくマイホームを手に入れたのも束の間、購入後に払わなければならない税金もあります。
まず入居後しばらくしてから納税通知が送られてくるのが不動産取得税。
住宅などの不動産を買ったときに一度だけ課せられる税金で、土地と建物それぞれ別々にかけられます。
税額は固定資産税評価額をもとに計算され、一定条件を満たした土地や建物は税額が軽くなります。
ただし、この軽減措置を受けるためには都道府県税事務所に申告しなければなりません。
申告の時期は「買ってから六○日以内」などと決められています(都道府県によって異なります)。
不動産取得税は軽減が受けられるかどうかで税額が数十万円違うこともあるので、確実に軽減してもらいましょう。
とはいえ、家を買って二か月以内の申告なので、たいていの人は忘れてしまいます。
でも、申告を忘れていても納税通知が届いてから改めて申告すれば、ほぼ軽減されるはずです。
納税通知が来たら必ず県税事務所に問い合わせて、軽減が受けられるかどうかを確認しましょう。
毎年一月一日時点で土地や建物をもっている人にかかるのが固定資産税と都市計画税です。
税額はやはり土地と建物に分けられ、評価額にもとづいて計算されます。
この二つの税金も一定の条件を満たせば軽減措置が受けられますが、申告の必要はありません。
納税通知が送られてきた時点ですでに軽減措置も加味されているので、そのまま振り込めばいいのです。
住宅ローンを借りて家を買うと、ローンの残高(残っている借金)に応じて所得税が戻ってくるという制度があります。
この制度には住宅取得促進税制という、いかめしい名前がついていますが、一般的には「住宅ローン控除」と呼ばれています。
「控除」とは、一定の額を所得税から「差し引く」といった意味です。
住宅ローン控除の対象となるのはローンの年末残高のうち建物分だけで、最高三○○○万円までです。
住宅ローンはもともと土地と建物とに分けられてはいないので、ローン残高は優先的に建物購入に充てられたと見なされます。
仮にローン残高が三○○○万円で建物価格が三○○○万円だったとすると、ローン残高はすべて建物分として控除の対象になるわけです。
なお、控除が受けられるのは買った年を含めて六年間です。
控除額の計算はちょっと複雑です。
ローン残高を「一○○○万円までの部分」「一○○○万円を超えて二○○○万円までの部分」「二○○○万円を超えて三○○○万円までの部分」に三分割して、それぞれに一定の割合をかけます。
最初の三年間は最高三五万円、四〜六年めは最高二五万円、合計で最高一八○万円まで税金が戻ってきます。
ただしこの計算方法は九七年中に買った人のみ。
九八年以降は毎年のように計算方法が変わり、控除額が徐々に少なくなることになっています。
住宅ローン控除を受けるためには、買った翌年の確定申告の時期に申告しなければなりません。
サラリーマンの場合は確定申告などはじめてというケースも多いと思いますが、税務署に問い合わせれば申告方法や必要な書類などを教えてもらえます。
その際に「住宅ローン控除を受けたいのですが」とひと言添えることもお忘れなく。
なお、住宅ローン控除はあくまでも所得税の控除なので、計算上の控除額が仮に三五万円だったとしても、実際に納めている所得税が三○万円だとしたら戻ってくるのは三○万円だけです。
決して五万円を余計にプレゼントされるわけではありません。
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